2018.05.01 UP
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花―。古くから美しいものの代名詞として名を馳せたシャクヤクは、5月から6月にかけて旬を迎えます。季節を問わず楽しめる花も増えてきた中、シャクヤクはほんの短い期間しか出回らないため、毎年この季節を楽しみにしているファンも多数。ヨーロッパでも「Rose of May(5月のバラ)」と称され、初夏を彩る花として愛されています。
今年もいよいよ、シャクヤクの季節がやってきます。短い旬を思い切り堪能しましょう。
シャクヤクのリレー
西から東、そして北へ。リレーのように産地のバトンタッチをしながら、花屋の店頭では約1ヵ月半、シャクヤクを楽しむことができます。まずは4月、スタートを切るのは和歌山県や静岡県のシャクヤク。最盛期はシャクヤク生産量日本一として知られる長野県・中野市のシャクヤクが届く5月初旬から中旬ごろです。続いて群馬県、6月に入ると新潟県、北海道と寒冷地で育てられたものが入荷します。産地によって栽培品種も違えば、同じ品種でも産地ごとに不思議と表情に違いがあったり…。つまりはシャクヤクから目が離せない1ヵ月半なのです。
①レッドレッドローズ②エッチドサーモン③コーラルサンセット④富士⑤浜よめ⑥マキシマ⑦コーラルシュプレーム⑧サラベルナール⑨プレアリームーン⑩ポーラフェイ⑪滝の粧⑫ピンクハワイアン
シャクヤクどう飾る?どう贈る?
旬を過ぎたら、次に出会えるのは一年後。駆け抜けるように過ぎるシャクヤクの季節を逃したくなくて、梅雨の季節すら待ち遠しく思えます。季節が運んでくれる今だけの出会いを、自分へ、大切なあの人へ。シャクヤクを思い切り楽しむ飾り方と送り方を紹介します。
お気に入りの一輪にグリーンミックスを添えて 八重咲きのシャクヤクは一輪でも存在感たっぷりですが、グリーンを少し添えるだけでこなれた雰囲気に。何を合わせようか迷ったときは、季節のグリーンを束ねた「グリーンミックス」を。お気に入りの一輪がさらに輝きを放ちます。
Peony・エッチドサーモン Others・ローズマリー、パセリ
Flower Vase・[青山フラワーマーケット]ステムベース
Recommend!!
みずみずしい季節のグリーン2~3種類。それだけでも、花と合わせても。
グリーンミックス
気軽に季節を飾る、マルシェブーケ 5月に旬を迎えるシャクヤクは、初夏の訪れを告げる花。明るい黄緑色の葉ものを合わせると、この季節らしいさわやかな印象に仕上がります。店頭では「マルシェブーケ」として、季節のグリーンと合わせてご提案しています。
Peony・サラベルナール、バンカヒル Others・タラスピ、ナルコラン
Flower Vase・[青山フラワーマーケット]フローラルピッチャー2018 L
Recommend!!
主役はトゥデイズフラワー。
小脇に抱えるイメージでざっくり束ねました。
マルシェブーケ
枝と合わせて、より季節感のあるスタイル 旬の時期のほんの一瞬しか出会えない、というのがシャクヤクの醍醐味。同じく短い期間しか出回らない枝ものと合わせると、季節感がぐっと増します。枝との花合わせは難しそうですが、同系色の花瓶を大小で並べて、背が高い方に枝、低い方に花をいければ簡単です。
Peony・ホワイト系 Others・オオデマリ、ピスタキアリーフ
Flower Vase・[LSA](左)LCF20 OLIVE (右)LCF19 OLIVE
気軽に季節を飾る、マルシェブーケ 何本ものシャクヤクをどっさり飾ることは、シャクヤクLOVERの夢のひとつではないでしょうか。たくさんの本数をいけるときは、色あいを揃えてシンプルに。ここでは花のコーラルカラーに合わせて、赤みがかったグリーンをアレンジしました。
Peony・コーラルシュプレーム、コーラルサンセット、ピンクハワイアン Others・イワナンテン
Flower Vase・[ボブクラフト]ボトルシェイプ25(845-25)
シャクヤク好きに贈りたい、オリエンタルなブーケ 濃厚レッドのシャクヤクにパープルやビリジアングリーンを合わせて、一足早い真夏を思わせるアレンジ。シャクヤクのさわやかなイメージをいい意味で裏切る、新鮮な組み合わせのブーケは、毎年この季節を心待ちにしているシャクヤク好きの方へのプレゼントに。
Peony・レッドレッドローズ Others・カーネーション、バンダ、エピデンドラム、アンスリウムの葉
蕾を上手に咲かせるひと手間
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下葉を中心に落とす 余分な葉を取り除くことで葉からの蒸散を減らし、花に十分に水があがるようにします。
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茎の長さを決める 花瓶の高さに合わせて茎を切る位置を決めます。茎の長さ:花瓶の高さ=2:1が目安。
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茎を斜めにカット 清潔な花バサミやフラワーナイフで茎をカット。鋭角に切って吸水面積を広くします。
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蕾の蜜を拭き取る 蕾から出る蜜でガクが固まると開花できなくなる原因に。湿らせた布で拭き取ります。
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蕾を優しくほぐす 蕾を包むようにし、指の腹を使って優しくほぐし、花が開きやすくなるようにします。
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花瓶の水は深め 水は常にたっぷりと。フレッシュフラワーフード(切花鮮度保持剤)を使いましょう。